“another shadow”やナビゲーションシステムの開発

株式会社タクラム・デザイン・エンジニアリング
緒方壽人氏

another shadowとは・・・

壁に映った自分のシルエットが「もうひとつの影」となって動き出すインタラクティブな映像作品。一瞬前の自分の影が残像のようにスクリーンに焼きついたと思ったらそのシルエットの上に白い線が描かれる。自分の一瞬一瞬の動きが切り取られ、自分の影と対峙する不思議なスクリーンとしばらく遊んでいたくなる。この作品ではOptiTrack FLEX:V100カメラ1台を使用している。“another shadow”が映し出されるスクリーンは実は全体が再帰性反射材となっており、人がスクリーンの前に立つことで反射素材を遮る。FLEX:V100で撮影したその画像をOpenCVと組み合わせてシルエットを抽出する仕組み。通常のマーカートラッキングは一切行っていない。


another shodow

ナビゲーションシステム

2008年に開催されたミニマム・インターフェイス展で発表された「on the fly」の進化バージョンが「骨」展で私たちをナビゲートしてくれる。こちらは天井に1台のFLEX:V100カメラとプロジェクタが設置してある。another shadowと同様、再帰性反射材のテーブルに展覧会のフライヤーを置き、各作品の方向に紙を向けるとその作品の紹介が表示される。「骨」というロゴが切り抜かれたフライヤーの四角い形を認識しているのだそうだ。

OptiTrack導入の経緯

“another shadow”やナビゲーションシステムの開発をする上で、最適なカメラを探していた。そんな折、インターネットでOptiTrack FLEX:V100カメラを知る。カラー映像のカメラでは情報が多すぎるため、モノクロ画像に変換する作業が発生する。しかしFLEX:V100であれば赤外線フィルタを通した映像がグレースケールで表示され、そこからモノクロ画像にするのが簡単であるというのが一つ目の導入理由。しかし何よりも導入の決め手となったのは、カメラのフレームレートだそうである。検討していたカメラは概ねフレームレート30fps、早いものでも60fpsであったが、FLEX:V100は100fpsとかなりハイスピードである。ブレた画像では輪郭を抽出できないため、システムが“四角”であると認識してくれない。ばたばた動かした手足をブレることなく撮影できなければ自分の影を切り取ることができない。しかしFLEX:V100はこうした速い動きにも対応できるというのが何よりも魅力的だと言う。FLEX:V100は100fpsでキャプチャしているが、シャッタースピードは1/1000秒であるため、認識率の良さについてもかなりご満足いただいている。

さらなる展開は・・・

デザインエンジニアとして、チャレンジしてみたいのが、マルチタッチスクリーンの作品。様々な企業や研究者が開発にしのぎを削っているが、OptiTrackのようなハイスピードカメラはマルチタッチスクリーンのシステムにも適したデバイスだと感じている。全身を使ったマルチタッチスクリーン作品を勝手に想像すると早くも楽しみである。OptiTrack FLEX:V100はSDKを無償配布しており、緒方様のようにカメラ単体としても開発用途で十分ご使用いただけるのだが、カメラ1台だと1点しかトラッキングできないため、カメラ1台でも複数点が検出できる機能追加のリクエスト、また、LEDの出力が1インチマーカーの場合6m程度までしか届かないためより強いLEDが搭載されることの2点をリクエストいただいた。さらに幅広いお客様のニーズにお応えできるよう努めていきたい。

  • ※FLEX:V100カメラの後継機種はFlex 3カメラとなっております。詳細はこちら
使用OptiTrackシステム
  • FLEX:V100カメラ 4台
使用ソフトウェア
  • CameraSDK


緒方壽人氏

クリエイティブディレクター/デザインエンジニア
東京大学工学部産業機械工学科卒業。岐阜県立国際情報科学芸術アカデミー(IAMAS)、LEADING EDGE DESIGNを経て、2010年にON THE FLY Inc.を設立。2012年よりtakramに参加。ハードウェア、ソフトウェアを問わず、デザイン、エンジニアリング、アート、サイエンスなど、領域横断的な活動を行う。主な受賞に、2004年グッドデザイン賞、2005年ドイツiFデザイン賞、2012年文化庁メディア芸術祭審査委員会推薦作品など。

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