演奏の超絶技巧を解明する「演奏科学」の研究

国立音楽大学音楽学部
音楽文化教育学科 音楽情報専修 准教授
楽器学資料館副館長
ピアノ調律コース担当
音楽情報・社会コース担当
三浦 雅展氏

演奏家は、熟練した技術を盛り込んだ演奏によって多くの人を感動させることができます。ヴィルトゥオーゾと呼ばれる演奏家の技術から音楽家が多くの学びを得ることができますが、演奏家の動作を詳しく分析する手法としてモーションキャプチャシステムはとても有用です。私の研究ではそのような音楽の演奏動作に含まれる超絶技巧の解明に取り組んでいます。この映像はピアノ演奏における手指の動作を研究したものであり、Motiveで作成された座標データからワイヤーフレーム動画を作成しています。数値解析ソフトMatlab®とフィンランドで開発されたMocaptoolboxを用いて作成しています。動画から手指関節の角度を計算することで、演奏時の手指動作の様子を解明することができます。

※NatNetを使えばMotiveでトラッキングしたデータをリアルタイムストリーミングしMatLabなどの外部プログラムで受け取ることも可能です。
NatNetとは:Motiveソフトウェアで取得したトラッキングデータ(位置・姿勢データ)をリアルタイムでネットワーク配信するクライアント/サーバ型のSDKです。

NatNetSDKはこちらからhttps://mocap.jp/optitrack/products/natnet-sdk/

被験者E(熟練者)

被験者B(初心者)

被験者の動きを分析するために着目したのが手指の動きです。初心者と熟練者の手指の動きにどのような違いがあるのか?というところに注目し、ピアノを演奏する演者の手指を含めた上半身の動きをモーションキャプチャにて計測しました。上記は計測点を繋げてスティックピクチャーとして被験者の動作を記録した実験の動画です。

ピアノの周りに8台のFlex13カメラを配置し、上半身・手指の動きが計測できるように配置。

指に貼っているマーカーも演者の負担にならないほど小さなマーカーで3mmのものを使用しています。マーカーには半球のもの、全球のものの2種類を使用し、ピアノを弾くような指の動きの場合には全球の方がロストが少ないことがわかりました。

手指の関節に貼ったマーカーの三次元位置(X,Y,Z)のデータから、各関節の角度を計算して熟練者と初心者を比較し、動きの違いを分析しています。

使用システム

OptiTrack Flex13 / 8台

使用ソフトウェア

Motive:Tracker

国立音楽大学HP
https://www.kunitachi.ac.jp/