OptiTrackを活用したロボット制御の研究

東京工業大学
工学院 システム制御系
教授 三平満司氏
助教 伊吹竜也氏

導入のきっかけ

三平 満司先生

導入のきっかけは宇都宮大学の平田先生が使用しているのを知ってご興味をもっていただきました。
OptiTrackを使う前もモーションキャプチャシステムを使用していたが、機材が大きく、キャリブレーションも大変で価格も非常に高かったそうです。
そんな中、低価格で簡単に精度よく三次元計測ができるOptiTrackを見つけていただき、今では30台近いカメラをお使いいただいております!


どんな研究をされてますか?

非線形システムに対する制御の研究をしています。普通に制御をするのではなく、普通ではできないことをやろうという研究室です。
具体的には、問題を定義→理論を証明→実際にモノを動かして実験・検証という流れで、例えば、ロボットを動かすにはどうすればよいか?→数学的な理論をベースに考える→実際にロボットをつくってみる→検証をするところまで行います。

伊吹 竜也先生

クアッドロータ
例えば下記の動画ではドローンが倒れそうになる棒をバランスをとって倒れないように制御をしています。

これだけでもすごいと感じられますが、実は素人にはわからないもっと難しい制御をしているそうです。というのは、一般的には棒を倒れないようにするには横方向に動いてバランスを保つのですが、縦方向にも動いてバランスをとっているとのこと。この縦方向に制御するのは普通ではなく、ココがポイントなのだと教えていただきました。

ヘキサロータ
私たちが見たことのあるドローンは大抵、4枚羽のドローンではないでしょうか?今回研究室で見せていただいたドローンは6枚羽のドローンです。
4枚羽のドローンは機体を傾けないと水平方向に推進力を出せないのですが、6枚羽を適切に配置することで全方向に力を出すことが可能となるそうです。
この特徴を活かした制御を行うことで、従来のドローンでは不可能だった精密な動作や空中での作業の実現を目指しているそうです。



OptiTrackのメリット

OptiTrackモーションキャプチャシステムは1mm以下という高精度でリアルタイムに計測が可能なシステムで、3台あれば三次元の計測ができてしまいます。そんなお手軽さも使用しやすい魅力といっていただきました。また、ソフトウェアも使用しやすいのも特徴の1つに挙げていただきました。
現在もMotiveは進化し続けており、先日Motive2.0が発表され、UIがガラリと変わりました。さらに新しい機能の付加され、よりユーザーが使い易い仕様にリニューアルしています。


OptiTrackに期待すること

課題として、遅延がもう少しなくなったらいいのに。。。また、どこで遅れているのかがレポートされれば改善のしようがあるとのこと。
遅延の少ないのはOptiTrackの特徴ではありますが、よりシビアな環境では遅延の問題は小さくはありません。
しかし、上記でお伝えしたMotive2.0では遅延がどこにあるのかをレポートしてくれる機能が追加されました!是非このバージョンを使用いただき、改善に役立てていただけるとうれしいですね。


今後について

今後の研究室の予定として、さらにOptiTrackシステムに増設し新しいシステムを構築されるとのこと。今後の研究にも目が離せません!

使用OptiTrackシステム

使用ソフトウェア

Motive:Tracker ソフトウェア

東京工業大学 三平研究室
http://www.sl.sc.e.titech.ac.jp/SCHP/index.html

1mm以下の精度で人や物の3次元位置姿勢をトラッキングする光学式モーションキャプチャシステムです。