
東京科学大学 伊藤匠様(左) 三平満司様(中央) 舩田陸様(右)
ドローンの自動制御~全駆動ヘキサロータや倒立振子制御等~
ドローンの自動制御~全駆動ヘキサロータや倒立振子制御等~
- 2025-09-30
- モノの三次元計測/制御
- OptiTrack
- 剛体
東京科学大学(東京工業大学) 工学院 システム制御系 三平研究室
東京科学大学(東京工業大学)
工学院 システム制御系 三平研究室
基本情報
- ドローンの高精度な位置・姿勢計測
- 短いサンプリングタイムの計測
導入の経緯
計測精度とサンプリング速度の課題を解決させたかった
― どのような経緯でモーションキャプチャーの導入に至ったのでしょうか?
そこで、計測精度とサンプリング速度の課題を一気に解決できるモーションキャプチャーを導入することにしました。

実績が一番の信頼材料
― 数あるモーションキャプチャーシステムの中で、OptiTrackを選んだ理由はなんでしょうか?

― 具体的にはどのような点を重視されましたか?
それから、システムの構築がしやすいこと。骨組みの組み方や設置方法も相談できたので、導入がスムーズでした。
選択肢が多いのもありがたかったです。20〜30万円クラスから幅広いラインナップがあるので、予算に合わせやすいんですよね。
あとはサポート体制。国内正規代理店が対応してくれるので、トラブルがあった時も海外とのやり取りで時間がかかることがなく、安心して研究を続けられると思いました。

OptiTrackはカメラの種類によりますが、最低でも100FPS、最大で1000FPSでトラッキングすることができます。
研究内容紹介
非線形制御理論による倒立振子制御
倒立振子をクアッドロータの上に載せ、非線形制御理論を用いて空中で安定化させる実験を行いました。
倒立振子を立てる制御は制御の分野ではオーソドックスなものなの
実機実験ではOptiTrackを用いてドローンと振子の三次元位置・姿勢を100FPSで高精度に計測し、リアルタイムでフィードバック制御に活用しています。
外から力を加えて振子を乱しても、ドローンが適切に上下動を行い、再び安定状態に戻すことに成功しました。

導入効果やメリット
計測結果を信頼して使えるため、制御系の検討に集中できるようになった
―モーションキャプチャー導入後、どんな変化がありましたか?

―苦労した点や工夫した点などがあれば教えてください。
カメラの設置場所やドローンを飛ばすうえでの安全対策(防護ネットやその骨組み)の導入が大変な箇所だったかと思います。でもそのあたりも相談できるのが良かったです。

OptiTrackは光学式の中でも使いやすさに優れた製品です。一度システムを構築してしまえば、学生様だけでも気軽に運用できる点がメリットとなります。
また、カメラの設置や安全対策もスパイスでは全てサポートさせていただきます。
その他OptiTrackを用いた研究内容
以下研究ではいずれも、OptiTrackを用いてドローンの三次元位置・姿勢を100FPSで高精度に計測し、リアルタイムでフィードバック制御に活用しています。
研究例①:全駆動ヘキサロータ型UAVの提案と設計最適化
従来のヘキサロータ(6ロータ型ドローン)は「劣駆動構造」と呼ばれ、前後左右に移動するためには機体を傾けて推力の方向を変える必要がありました。そのため風などの外乱に弱く、壁や対象物に押し付けるような作業にも向いていませんでした。
そこで研究室ではロータの配置と傾斜を工夫して「全駆動ヘキサロータ」を提案しました。ロータを傾けて配置することにより、機体を傾けることなく前後左右に移動させることに成功しました。
これにより、強風下での安定飛行や、空中で物体に力を加える作業(押す・支える・接触する)が可能になります。




研究例②:耐故障性を有するドローン構造の追求

一般的なヘキサロータドローンは、ロータが1基でも故障すると安定を失い墜落してしまいます。
本研究ではまず「従来制御では1基故障すると飛行不可能」であることを数学的に証明しました。そのうえで、ロータ配置を工夫することでどのロータが壊れても姿勢を保ち、飛び続けられる構造を設計し、実機実験で有効性を確認しました。

研究例③:複数ドローンでの環境モニタリング

1台のドローンカメラでは視野が限られており、解像度にも限界があるため、広範囲を同時に監視することは困難です。そこで研究室では,複数のドローンを同時に飛行させ,
「被覆制御」と「制御バリア関数」を組み合わせ、複数機が効率的に領域を分担しながら監視し、重要なエリアを重点的にカバーできるようにしています。
将来的には、災害時の被災地全体の監視や、大規模施設の保守点検などへの応用が期待される研究です。
東京科学大学 三平研究室

三平研究室では、これまで長年にわたり、ドローンの新しい構造設計や制御手法に挑戦し、独自の研究を積み重ねてこられました。
なお、三平教授は今年(2025年)にご退任を迎えられますが、取材にもご同席いただいた舩田助教や博士学生の伊藤様らが引き続き研究を担っていかれるとのことです。これまで培われてきた研究の成果や教育の姿勢は、確実に次世代へと受け継がれていくことでしょう。
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