目次
基本情報
映像制作会社である株式会社森三平様に、OptiTrack、EZtrack、MANUSを2023年に導入していただきました。
社内に専用スタジオを設け、1つの空間でモーションキャプチャーとバーチャル・プロダクションの両立を実現しています。併用することでCGキャラクタと実写を合成した映像をリアルタイムで作ることもできます。
今回は本システムを導入し活用していただいた取締役の小平様にお話しを伺いました。
※本記事は2024年3月に取材した内容を基に構成しています。
導入の目的
- モーションキャプチャー(全身+指/2人)でCGアニメーション制作
- バーチャル・プロダクションシステムで映像制作
- Vtuber(CGキャラクタ)と実写のリアルタイム合成
- モーションキャプチャー&バーチャル・プロダクション用レンタルスタジオ運営
導入システム
システム配置図
導入の経緯
OptiTrack(モーションキャプチャーシステム)の精度が
思った以上に良かった
先にOptiTrackを導入していただいたかと思いますが、その経緯をお聞かせください。
きっかけはお客さんからモーションキャプチャーを使った案件の依頼があったからです。弊社のスタッフがネットでスパイスさんのスタジオを見つけて、自分もついて行く形でデモの見学に行きました。正直その時は一切導入を考えていなかったのですが、見に行ったら思った以上に精度が良くて、特にManusグローブと組み合わせて使った時の指の動きの精度にかなり驚きました。昔からモーションキャプチャーのデータ自体は扱っていたんですけど、結構細かく修正しなければいけなかったし、手の動きはそもそも入ってませんでした。手もここまでいけるんだみたいなのがあったので、うちも入れてみたいなっていうところからですかね。


他のモーションキャプチャーシステムも選択肢にありましたか?
値段的に無いですね。費用対効果と言うか、もっと高いシステムのものを入れても大して変わらないなっていうイメージ。そんなにクオリティが上がるのかって言ったら上がらない。とは言え、安いキャプチャーシステムだと経験上足元の設置がズレたりするのがどうしても気になったので、光学式以外も選択肢にありませんでした。後はやっぱりグローブの存在が大きかったですね。グローブも同時に使えてしかもあのクオリティというのが、OptiTrackを導入した大きな理由だと思います。

EZtrack(バーチャル・プロダクションシステム)であれば
OptiTrackを入れていた分導入コストを抑えられる
その後EZtrackも導入していただいたかと思いますが、その経緯もお聞かせください。
OptiTrackを導入して、普通のキャプチャ撮影だけでなく、いわゆるVtuberなどリアルタイムのコンテンツを増やしていきたかったんですよね。そこでバーチャル・プロダクションも一緒にやる選択肢が出てきて、じゃあカメラのトラッキングどうしようってなった時、有名どころだと値段も結構するんだということがわかりました。他に何かいいのはないかなって探していたら、丁度良いタイミングでEZtrackが出てきて、EZtrackであればOptiTrackを入れていた分導入コストを抑えられるとのことで、値段的にこっちがいいなってなりました。それに、OptiTrackでモーションキャプチャーシステムと同時に使えるというメリットもやっぱりありました。

バーチャル・プロダクションを導入した理由はリアルタイムのコンテンツを増やすためだったのですね。
もちろんグリーンバックで撮影して一般的なバーチャル・プロダクションスタジオとしての使い方もやっていく予定ですが、リアルタイムのコンテンツの方が後処理の時間もかからないしコストパフォーマンスも優れているのでそっちを増やしていきたいですね。CGキャラクタと実写の人を合成させたリアルタイムコンテンツなんかをやっていきたいと考えています。
収録事例
『武楽(ぶがく)-BUGAKU-』と『番洋』のプロモーション動画撮影(バーチャル・プロダクションを活用した事例)
「武の美」を表現した武道芸術『武楽』の演者である源光士郎様と、洋画家番洋様(背景に使用されている洋画)のプロモーション用の映像です。OptiTrackでカメラをトラッキングし、EZtrackでそのカメラのトラッキング情報とレンズ情報を統合。3DレンダリングソフトはAximmetryを使用しています。三脚ではなくクレーンカメラをトラッキングしています。
出演者紹介
武楽(ぶがく)-BUGAKU- | Samurai Art
武楽座は、日本全国の公演、世界各国のジャパンフェスティバル、オープニングセレモニーで演武を奉納・披露しております。新宿下落合の稽古場では、居合や侍の体験が出来る他、江戸時代の甲冑や刀剣、手裏剣、装束、薙刀、扇等の展示もしており、伝統の品々・甲冑等と共に記念撮影も可能です。神楽・伎楽・雅楽・舞楽・猿楽・田楽・能楽・文楽・歌舞伎等に続く日本の新たな伝統文化、伝統芸能です。
番洋
日本に生まれ日本を愛し続ける番洋(ばんひろし)は、1943年7月25日生まれ石川県金沢市出身の洋画家。宮本三郎先生に師事し、警察官時代に失った視力のハンデを乗り越え、隻眼の画家として国内外で活躍し数々の賞を受賞。独自の心象風景の表現など独創性のある表現空間が高い評価を得ている。 日本を愛し、絵筆でキャンバスに塗り込めた心のイリュージョンは五十年以上に及ぶ。
使用感・メリット
OptiTrackもEZtrackも使いやすい
実際に使用してみて、何かOptiTrackやEZtrackについて良かったと感じる点はありますか?
OptiTrackはやはりソフトウェアの使いやすさじゃないでしょうか。ほぼほぼ初めての人が見ても使いやすいというか、レンダリングソフトとかだとUIが複雑なものが多いので初めて見た人はなかなかわからないと思います。それに関してはEZtrackも同様で、最初のセッティングだけすれば良いのでかなりわかりやすいなと思います。また、武楽座さんの案件ではトラッキングの良さをちゃんと使いたいと思って、三脚ではなくクレーンカメラを使用したのですが、これも当日カメラがメインで動く位置に合わせて(OptiTrackの)カメラの位置をずらしただけでパッと環境を作ることができたので、その辺の柔軟さも良いなと思います。
中小空間でもある程度は撮れる
スタジオのサイズについてはいかがですか?
ここ半年ぐらいでここもバーチャル・プロダクションやモーションキャプチャーのレンタルスタジオとして貸していく予定ではありますが、その需要によってはもう少し大きいスタジオを作ろうかなと思ってはいます。ただ本当に大きいスタジオが必要となると、それはほとんどアクションくらいで、キャプチャーに関してはこのぐらいあればある程度は撮れるなと思ってます。
プリビズの映像がスタジオだけで撮れる
その他バーチャル・プロダクション自体のメリットは何かありますか?
その場に行かなくてもある程度撮影できるので、例えば本番じゃなかったとしても、プリビズの映像がスタジオだけで撮れるというのはメリットですよね。同じようにCGを作っちゃえばカメラワークは前もって撮れるので、現場に行ってカメラワークに悩まなくてもいいですしね。しかもカメラデータも抽出できるじゃないですか。このEZtrackのカメラデータをMaxとかに持ってこれるので、レンズのデータがあるから厳密には合わないんですけど、そうすると後編集もやりやすいし、合成もやりやすいっていうもメリットですよね。やっぱり効率化じゃないですかね。

今後の展望
OptiTrackとEZtrackの特徴を活かしていきたい
※3DレンダリングソフトはAximmetryを使用
今後の展望を教えてください。
せっかくなのでOptiTrackとEZtrackの特徴を活かしていきたいです。例えばOptiTrackのおかげで人の位置をトラッキングできるので、そこを演出に組み込めたらいいなと思っています。あとはやっぱりモーションもトラッキングできるので、CGキャラクタと実写の合成ですかね。そのためのシステムと言っても過言じゃないので、そういったコンテンツをリアルタイムで撮っていけたらいいなって考えています。












